公開日: 2023.01.13 更新日: 2024.05.10
病院での予約システムの導入率|システム導入のメリットも解説
新型コロナウイルス感染症拡大以降、予約システムを導入した病院は多いでしょう。予約システムの導入は、待合室の人数を制限する必要がなくなる他、予約に関する業務の効率化を図れるなど、さまざまなメリットがあります。
また、国は医療のICT化を推進しており、予約システムの導入はICT化の一歩となります。しかし、病院の予約システムの普及は進んでおらず、導入率は年代や病院の規模によりばらつきが見られます。
当記事では、病院における予約システムの導入率と普及が進まない理由、病院が予約システムを導入するメリットを解説した上で、おすすめの予約システムをご紹介します。予約システムの導入を検討している病院・診療所の経営者・事務長の人は、ぜひご一読ください。
1.病院における予約システムの導入率
病院における予約システムの導入率について、統計資料をもとに紹介します。なお、政府や自治体などの公的な統計調査ではなく、民間企業による調査を参考としています。
日経メディカル開業サポートの調査によると、2021年時点で予約システムをすでに導入している割合は14.3%でした。導入する予定はないと回答している割合は57.7%であり、開業医全体の導入は進んでいない状況です。
出典:日経メディカル開業サポート「第13回 【開業医286人に聞いた】コロナ禍で注目のICTツール意識調査(後編)」
一方で、矢野経済研究所が2019年に行った調査によると、新規開業した医療機関の予約システムの導入率は62%です。他院との差別化などを理由に、開業のタイミングで予約システムを導入する病院が一定数あります。
1-1.年代別で異なる予約システムの導入率
日経メディカル開業サポートでは、年代別の予約システム導入率も調査しています。導入率が高かった年代は、40代の27.3%と、50代の21.9%です。30代は「すでに導入している」の回答がないものの、「導入しようと思っている」が20%で、導入に前向きな回答が多くなってます。
一方で、60代以上の導入率は低く、「導入する予定がない」の割合も60%以上です。インターネットがそれほど身近でない年代は、導入に消極的な結果となっています。
1-2.予約システムの普及が進まない理由
予約システムの普及が進まない理由の1つは、導入コストの問題です。予約システムの導入には、初期費用と月額のサービス利用料がかかります。導入費用は病院が負担しなければならないため、予約管理が煩雑でない小規模な病院などでは導入メリットが小さくなります。
また、予約システムを導入すると操作方法などを覚えなければならないのも、普及を妨げる理由です。病院スタッフがデジタル機器に強くないことも多く、操作への自信のなさから導入を見送るケースがあります。
以上のように、予約システムの導入にデメリットのほうが大きいと感じることが、普及が進まない理由です。しかし、コロナ禍で生活状況が変わり、病院内でも3密を避けるなどの対策が求められているため、予約システムの必要性が高まっています。
2.病院が予約システムを導入する4つのメリット
予約システムの普及率はまだまだ低いですが、導入すれば病院の運営で抱えている問題を解決できる可能性があります。予約システムを導入するか否かを検討する際には、メリットを考慮することが大切です。
ここでは、病院や診療所が予約システムを導入するメリットを4つ紹介します。
2-1.患者数を平準化できる
予約システムを導入すれば、病院の予約・混雑状況が分かります。患者は混雑していない曜日や時間帯を考慮して予約できるので、患者数の波が平準化されます。特定の日に患者が集中するのを防ぐだけでなく、予約枠をコントロールして集患することも可能です。
混雑が解消されれば診察までの待ち時間が減り、患者のストレスが軽減されるでしょう。予約に関する問い合わせも減り、病院スタッフは別の業務に時間を使えるようになります。シフトも組みやすくなり、病院の業務効率改善にもつながります。
2-2.再診率の向上を図れる
予約システムは、待ち時間の短縮に貢献します。診察までの時間や呼ばれる順番が把握できるので、「いつ呼ばれるのか」などの患者の不満が解消され、トラブルが減るでしょう。患者の満足度が向上すれば、再診率の向上にもつながります。
また、予約システムは病院の営業時間外でも予約可能なので、仕事などで日中に予約できなかった患者からの予約を受けられるようにもなります。予約のしやすさは再診率の向上につながり、新規患者の獲得も期待できます。
2-3.院内感染のリスクを低減できる
病院の待合室に多くの人が集まると、院内感染のリスクが高まります。しかし、予約システムによって待ち時間を把握できれば、待合室で待機する患者の人数を減らせます。
待ち時間が分かると、予約時間の直前に病院に行けばよいので、患者は待合室で長時間待つ必要がなくなります。体調が優れない人がいても、待合室にいる人数が少なければ最低限の接触で済むため、院内感染のリスクを低減できるでしょう。
2-4.予約業務の効率化を実現できる
予約システムを導入すれば、病院側にも業務効率化というメリットが生まれます。電話・窓口での予約受付やキャンセルなどの問い合わせが減り、予約状況もシステムで一元管理できるようになります。
これまでアナログで行っていた作業をシステムが担ってくれるので、予約業務の効率化が実現できるでしょう。ダブルブッキングなど予約に関するミスの減少も期待できます。
3.【病院向け】おすすめ予約システム3選
病院・診療所向けの予約システムには、さまざまな種類があります。システムによって魅力が異なるため、それぞれの特徴を知って、導入する病院・診療所に適したものを選びましょう。
ここでは、病院に適した予約システムとして人気が高いものを3つ紹介します。
3-1.ドクターキューブ
ドクターキューブは、病院・診療所の要望に応じてカスタマイズできる予約システムです。順番予約や時間予約、時間枠予約に対応しており、併用もできます。患者はインターネット予約に加えて、自動音声予約やタッチパネル予約といった予約方法も利用可能です。
院内に設置したモニターには、待ち人数や待ち時間、遅れ時間などを表示できます。情報は自動で更新され、スタッフの手を煩わせません。
足りない機能があれば柔軟にカスタマイズでき、ディスプレイデザインも好みに合わせて変更できます。料金はカスタマイズの内容によって異なるため、初期費用・月額料金ともに要問い合わせとなっています。
3-2.診療予約2022
診察予約2022は、病院の予約機能のみに特化した、シンプルで操作しやすい予約システムです。予約の種類には「順番待ち版」と「時間帯予約版」があり、2つを併用した「複合版」も選択できます。
予約患者は、スマートフォンなどで診察までの順番や診察開始時刻を確認できるので、ギリギリまで自宅待機したり、病院から一時的に外出したりしやすくなります。診察開始の直前に、お知らせメールを自動送信することも可能です。
料金プランについて、順番待ち版と時間帯予約版は月額10,000円、複合版は月額15,000円です。初期設定が簡単で開発会社による作業サポートが不要なので、初期費用は0円となっています。また、60日間のお試し期間も設けられています。
3-3.リザエン
リザエンは、200以上の業種に対応し、数多くの導入実績がある予約システムです。病院予約にも対応しており、24時間対応のインターネット予約や、電話・来院時の予約をまとめて管理できます。予約忘れ防止のリマインドメールも送信でき、確実な受診を促します。スムーズな受診が可能になるため、患者を待たせる心配もなくなるでしょう。
一般健診だけでなく、人間ドックや定期健診などさまざまな予約に対応したメニューを作成できます。予約サイトは直感的に操作できるので、はじめて使用する人でも迷うことなく操作できるでしょう。
利用料金は、ビジネス版が月額15,000円、初期費用25,000円で、1か月無料体験もあります。エンタープライズ版は機能追加など柔軟なカスタマイズに対応しているので、月額・初期費用ともに要問い合わせとなっています。
まとめ
病院の予約システムの導入率は、勤務している人の年代や病院の規模によって異なります。インターネットが身近な40代・50代の人が勤務する病院・診療所や、予約管理が煩雑な大規模病院などで、予約システムの導入が進んでいます。
病院が予約システムを導入するメリットは、患者数の平準化や再診率の向上、院内感染のリスクの低減、予約業務の効率化が図れることです。予約システムの活用は、病院側と患者側の双方にとってメリットがあります。
リザエンは200以上の業種に対応した予約システムで、インターネット予約はもちろん電話や来院時の予約も一元管理が可能です。操作方法は簡単で、はじめて使用する人でも迷わず操作できます。1か月無料体験もありますので、予約システムを導入する際はぜひご検討ください。