公開日: 2024.01.29 更新日: 2024.05.10
順番待ちシステムとは?メリットや比較ポイントを解説
お客様の順番待ち状況を管理・表示できる順番待ちシステムを導入することで、お客様の混雑や、それに伴うトラブルを減らすことができます。そのため、行列の絶えない店舗では、順番待ちシステムを導入するところが多いです。
この記事では、順番待ちシステムとは、どのようなものであるのか、基本機能を踏まえて解説します。さらに、順番待ちシステムのタイプやメリット・デメリットについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.順番待ちシステムとは?基本機能を解説
順番待ちシステムとは、店舗や施設でお客様の待ち状況を効率的に管理し、リアルタイムに情報提供するシステムです。順番待ちシステムでは、お客様が店舗のモニターや自分のスマホなどから、待ち時間や受付番号を確認できます。飲食店から医療機関や銀行、イベント会場に至るまで、多くの業種とシーンで利用されている受付システムです。
順番待ちシステムを導入すればお客様が待ち時間を把握でき、無駄な時間を浪費せずに済みます。店舗側にとっては、混雑緩和と業務効率化が期待できるなど、お客様と店舗側の双方にメリットがあり、よりよいサービス提供を可能にするシステムです。
以下では、順番待ちシステムの基本機能を紹介します。
1-1.予約機能
予約機能は、お客様が事前に希望する日時やサービスの種類を選び、予約できる機能です。予約機能を使うことで、お客様は予定を立てやすくなり、待ち時間の長い日や混雑する時間帯を避けられます。
待機人数が多い場合は予定をずらすお客様も出てくるため、店舗側には待合スペースの混雑緩和や行列待ちの効率的な管理の実現が期待できるでしょう。カレンダーなどで混雑状況や空き情報を視覚的に確認できるとより便利です。
1-2.待機状況の管理・表示機能
順番待ちシステムに待機状況の管理・表示機能があると、お客様はスマホや店内のモニターから自分の順番や待ち時間をリアルタイムで確認できます。お客様のストレス軽減につながるだけでなく、残り時間に応じて予定を組み直すことも容易です。
待ち時間の可視化により、店舗側はスタッフ配置やサービスの調整を効率的に行いやすくなります。発券機と連携すれば、混雑時の待合トラブル減少も期待できるでしょう。
1-3.受付番号の発行機能
順番待ちシステムの多くには、店内に設置した発券機から順番受付番号やQRコードを記載した整理券を発行する機能も備わっています。お客様は受け取った番号などから、自分の順番や待ち時間の確認が可能です。待ち時間が長い場合には、その間に他の用事を済ませたり混雑を避けて別の場所で待ったりと、店舗前待機以外の選択も視野に入れられます。
店舗側は、手作業で順番管理するよりも正確かつ迅速に業務が進めやすくなるでしょう。
1-4.呼出機能
呼出機能は、電話・メール・LINEなどの通知手段により、お客様の順番が近づいた際に自動的に呼び出す機能です。携帯端末の持ち出しが可能なシステムや、スマホから確認できるシステムを使えば、お客様が待合スペースで待機する必要もありません。店舗から離れた場所で自由に過ごしても、順番を逃さずに済みます。
お客様への対応が自動化されるため店舗側の手間が減り、呼び出しの遅延や呼び間違いといったトラブル防止が可能です。
1-5.データ集計・分析機能
順番待ちシステムには、データ集計・分析機能が備わっているものもあります。お客様の来店頻度や利用時間帯、予約傾向などを収集・分析すれば、人員配置やオペレーション最適化、需要予測、マーケティング戦略の策定に役立つでしょう。
遠隔でのデータ管理・共有が可能なシステムや、日・月・曜日別、スタッフ・店舗・エリア別にデータ分析できるシステムなどもあります。
2.順番待ちシステムのタイプ
順番待ちシステムは、店舗の規模や形態、使用する目的ごとの多様なニーズに対応するため、設計や搭載機能もさまざまです。ここでは、順番待ちシステムを4つの主要なタイプに分け、それぞれの特徴を解説します。
2-1.マルチ機能タイプ
マルチ機能タイプは汎用性が高く、飲食店から医療機関、自治体に至るまで多くの業界で活用されているシステムです。日時指定受付やWeb上での予約・変更の受付、実店舗での整理券発券といった、受付管理業務に関する多様な機能をまとめて搭載しています。
モニターへの待合状況・呼び出し表示や、レポート機能を備えているものも少なくありません。多言語対応や自動翻訳機能が搭載されているタイプであれば、外国人のお客様とも円滑なコミュニケーションが期待できるでしょう。
2-2.LINEミニアプリ対応タイプ
LINEミニアプリ対応タイプは、専用アプリのインストールが不要であり、LINEを通じた予約受付や整理券の発券が可能なシステムです。店舗はLINE公式アカウントでの友だち獲得が容易になる上、新商品情報やクーポンをお客様へダイレクトに配信できるため、集客活動に役立ちます。
また、紙面への印刷や順番待ち表への記入が不要となり、印刷コストの削減や感染症対策にも有効です。受付距離を制限できたり、LINEを利用していないお客様には電話呼び出しで対応できたりするなど、多様なニーズに応えられる設計となっています。
2-3.業界特化タイプ
業界特化タイプは、特定の業種に焦点を当てた機能が搭載されています。飲食店向けであればPOSとの連携機能をはじめ、時間指定予約機能や外部のグルメサイトからの予約受付状況・待ち時間の一元管理機能などが代表的です。最新の情報は自社サイトやアプリに反映され、お客様は混雑を避けられます。
病院・クリニックでは、スマホから診察状況を確認したり予約を入れられたりするシステムが好評です。患者様の待ち時間が大幅に削減されるだけでなく、院内感染リスクを低減する効果もあります。
2-4.Web特化タイプ
Web特化タイプは、順番の共有と確認の機能に絞ったシンプル設計の順番待ちシステムです。発券機連動や予約受付機能は備えていないものが多く、主に店舗のタブレットやスマホ、モニターのみで操作が完結します。
ネット環境があれば、低コストかつ手軽に導入できるのが魅力です。お客様が店頭で番号を把握し、指定のサイトにアクセスすれば待ち状況を確認できます。電話番号やメールアドレスの入力が不要で、個人情報の漏洩リスクも低いシステムです。
3.順番待ちシステムを導入する5つのメリット
順番待ちシステムを導入することで、店舗や施設の運営が格段にスムーズになります。下記が、順番待ちシステムを導入する主なメリットです。
- 混雑を緩和できる
- 予約・受付業務を効率化できる
- ユーザー情報を蓄積できる
- お客様のストレスを軽減できる
- 周辺住民からのクレームを減らせる
ここでは、このような順番待ちシステムを導入するメリットを詳しく解説します。
3-1.混雑を緩和できる
順番待ちシステムの最大のメリットは、混雑の緩和です。混雑時の過密な空間や長い待ち時間を不快に思うお客様は少なくありません。順番待ちシステムを導入すれば、お客様は自分の順番がいつ来るのかを確認できます。
お客様が待ち時間を把握し、来店時間を調整できれば店内への滞在人数が分散され、店舗全体の混雑状況が緩和されます。繁忙時でも、行列の軽減や店内空間の効率的な使用が可能になるでしょう。
3-2.予約・受付業務を効率化できる
順番待ちシステムが順番の管理とお客様の呼び出しを自動で行うため、スタッフはその他の作業へ使える時間が増えます。また、お客様にとっても、受付時の手間が少なくなります。自動化により人為的なミスが減少し、信頼性が向上するのもメリットです。
業務の効率化と手間の削減により、スタッフとお客様がコミュニケーションを取る時間を確保でき、質の高いサービスが提供できる点もメリットとして挙げられます。
3-3.ユーザー情報を蓄積できる
順番待ちシステムは、お客様の情報を効率的に蓄積する手段としても優れています。順番待ちシステムは、お客様の年齢・性別・来店時間などの基本的な顧客情報を保存する機能を搭載した設計が大半です。
蓄積された情報から、お客様の属性や来店パターンを分析すれば、人員配置やターゲットの設定、プロモーションの企画といったマーケティング戦略に役立ちます。また、お客様の好みやニーズをより深く理解することで、商品開発やサービス改善にもつながるでしょう。
3-4.お客様のストレスを軽減できる
待ち時間や入店可能時刻を通知できるシステムを使えば、お客様は来店するタイミングの効率的な管理が可能です。長い待ち時間が生じても、順番待ちだけで貴重な時間をつぶさなくて済みます。
さらに、オンライン上ですべての入力を完結できるシステムなら、個人情報を紙に書く手間がなくなります。その紙が第三者に見られるリスクも下がるため、プライバシーを気にする方の不安も低減できるでしょう。
3-5.周辺住民からのクレームを減らせる
店舗や行列での話し声や人の出入りによる騒音は、周辺住民にとって大きなストレス源です。順番待ちシステムでお客様が事前に順番や待ち時間を確認できれば、不必要な行列が減少します。
周辺住民は騒音や混雑、道が塞がれることによるストレスが減り、近隣店舗も通行がスムーズになるためビジネスへの好影響が期待できるでしょう。双方に有益な状態を作れるため、順番待ちシステムは周辺環境の改善にも寄与します。
4.順番待ちシステムを導入する3つのデメリット
順番待ちシステムには多くのメリットがありますが、客離れにつながる可能性やコスト、待ち時間の正確性といったデメリットも無視できません。以下では、順番待ちシステム導入のデメリットを3つ解説します。
4-1.客離れにつながる場合がある
順番待ちシステムには、お客様が遠ざかるリスクも存在します。操作が難しい、または使いにくいインターフェースは、お客様が店舗へ不満を感じる原因の1つです。また、システムから表示される待ち時間が長いと、お客様は他の選択肢に移行することも考えられます。
特に、近隣に短い待ち時間で利用できる競合店がある場合、お客様が流れるケースが少なくありません。順番待ちシステムを導入する際には、使いやすさに配慮しつつ待ち時間の短縮策をしっかり考える必要があります。
4-2.コストがかかる
順番待ちシステムを導入する際、初期費用や月額費用が必要となる点はデメリットとして挙げられます。小規模な店舗の場合は特に、費用面での負担を無視できません。一方で、システムの導入後には業務効率向上やお客様の満足度アップの可能性があります。
順番待ちシステムの導入を検討する際は、費用と効果のバランスを慎重に考えることが大切です。
4-3.表示できる時間は目安に過ぎない
順番待ちシステムの待ち時間は、平均値や予測に基づいた時間です。実際にはさまざまな要因により、お客様の期待よりも時間がかかるケースが珍しくありません。表示時間との隔たりが大きくなれば、お客様の不満につながります。
運用時には、待ち時間の目安に幅を持たせた上で事前にシステムの性質と限界を説明すれば、お客様の理解と協力を得やすくなります。スタッフの効率的な配置や、待ち時間が延びた場合の措置なども考慮するとよいでしょう。
5.順番待ちシステムを選ぶ際の比較ポイント3つ
順番待ちシステムを選ぶ際、特に重視すべきなのは「発券機や外部モニターの有無」「呼び出し方法の対応範囲」「オンライン受付への対応」の3点です。選ぶシステムによって店舗の運営が大きく変化する可能性もあるため、慎重に検討する必要があります。
5-1.発券機・外部モニターの有無
発券機や外部モニターの有無は、順番待ちシステムを選ぶ際の重要な比較ポイントです。発券機は番号札・整理券発行やQRコード印刷を行い、外部モニターは順番待ち状況を表示します。多くの店舗では、これらの機能がお客様への対応や待ち時間の管理に有効です。
しかし、業種や店舗の規模・環境によっては、発券機や外部モニターが不要なケースも珍しくありません。本当に必要な機能を絞り込み、最適なシステムを選ぶ必要があります。
5-2.呼び出し方法の対応範囲
呼び出し方法がお客様に合っていないと、機会損失につながる可能性もあります。よって、お客様の年齢層や店舗環境に合わせて、ニーズに沿ったシステムを選ぶことが大切です。
順番待ちシステムの呼び出し方法には、多様な方法が存在します。電子機器に慣れているお客様や若年層が多い店舗には、アプリとの連携が適しているかもしれません。一方、年配のお客様には自動電話呼び出しが使いやすいとされます。
5-3.オンライン受付への対応
オンライン受付が可能なシステムであれば、お客様はWeb上で簡単に予約や順番を確保できます。待ち時間や店舗までの移動時間が削減されれば、お客様の利便性と利用意欲が向上するでしょう。
オンライン受付は店舗側にとっても、混雑緩和やお客様の満足度の向上が期待できる機能です。ただし、オンライン受付が必要かどうかは業態にもよります。飲食店や医療機関などではニーズが高めです。
6.順番待ちシステムの導入に向いているケース
順番待ちシステムの導入が効果的な店舗の状況は、いくつか存在します。特に人気の高い店舗や予約受付を行っていない店舗では、順番待ちシステムが多くのメリットをもたらすでしょう。以下では、2つのケースが順番待ちシステムに向いている理由を解説します。
6-1.行列ができる人気店の場合
行列ができる人気店の場合、順番待ちシステムの導入は非常に効果的です。お客様はシステム上で自分の順番や残りの待ち時間を気になったタイミングで確認できるため、不安やイライラが軽減されます。ストレスが少なく安心してサービスを利用できれば、お客様の満足度が向上する可能性が高くなります。
また、手作業での受付業務や行列の管理・案内はスタッフへの負担が大きく、効率もよくありません。順番待ちシステムを導入すれば受付や行列の管理が自動化され、手の空いたスタッフは接客や商品管理など、本来の業務に集中できます。
6-2.予約受付がない店舗の場合
予約受付がない店舗への順番待ちシステムの導入は、お客様の流失を防ぐ方法として有効です。通常、予約ができない店舗では、お客様が直接来店してそのまま待つしかありません。しかし、行列や待ち時間が長いと分かれば、お客様は他の店舗に移動する可能性が高くなります。
順番待ちシステムがあれば、お客様はサービスを受けられるまでの時間の把握が容易です。別の店舗で用事を済ませたり近所を散策したりするなど、待ち時間を有意義に使う選択肢が増えることで、お客様が競合店に流れるリスクが減少します。
7.順番待ちシステム以外の選択肢としての予約システム
順番待ちシステムは便利ですが、表示される待ち時間は目安です。そのため、店舗の混雑状況によっては待ち時間が伸びる可能性があります。サービスを正確な時間で提供したい場合、予約制が有効です。特に、効率的な予約管理を行いたいなら、予約システムの採用がおすすめです。
予約システムには多くの種類がありますが、中でも「リザエン」が特に注目されています。リザエンは200業種以上に対応可能で、公共機関や大企業でも採用されてきた信頼と実績があります。セキュリティ性が高く、24時間365日の監視体制が整っている点も魅力です。予約状況が一目で分かる台帳画面機能や予約の代理登録・一元管理ができる機能なども充実しています。
料金も安心の従量課金制となっており、ビジネス版はすぐに使える本格的な高機能システムを低価格で提供しています。エンタープライズ版では、特定の業務に合わせたシステムのカスタマイズが可能です。いずれも1か月の無料トライアル期間があるため、使い心地を試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
順番待ちシステムを導入することで、お客様に待ち時間の目安・混雑状況をお知らせできます。順番待ちの状況を把握できることで、順番待ちに伴うお客様のストレスを軽減することが可能です。
ただ、順番待ちシステムでは正確なサービスの提供時間を表示できません。正確なサービス提供時間を表示するためには、予約制と予約システムの導入が必要です。
予約システムの導入を検討している場合は、リザエンの導入をご検討ください。リザエンは、高機能な予約システムで、さまざまな業種で採用されています。リザエンの各種機能については、下記のページで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。