公開日: 2023.02.27 更新日: 2024.05.10
クリニックが予約制を採用するメリット|導入する場合のポイントも
近年、予約制を採用するクリニックが増えています。予約制を導入することで、患者数の平準化や患者の満足度向上、院内感染リスクの軽減などのメリットがあるためです。
この記事では、クリニックで採用される予約制について、代表的な種類である「順番予約制」「時間予約制」「予約優先制」「時間帯予約制」を解説します。また、予約制の導入に欠かせない予約システムを選択する際のポイントについても取り上げるため、病院・クリニックの経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
1.クリニックが予約制を採用するメリット3つ
当日の受付順番に応じて診察を行う「受付順番制」を採用しているクリニックもありますが、近年では「予約制」のクリニックが注目を集めています。
予約制には患者・クリニックの双方にメリットがあるため、採用するクリニックは今後も増えていくでしょう。ここでは、クリニックが予約制を採用するメリットとして代表的なものを3つ紹介します。
1-1.患者数の平準化を図れる
クリニックにおける平準化とは、「いつも混雑する時間帯・曜日がある」という状態を回避し、人員や設備といった資源を最大限活用できる状態を維持することを指します。予約制を導入することで、患者数の平準化を実現することが可能です。
クリニックの平準化が実現すれば、待ち時間の少ないスムーズな診察が可能になり、患者・クリニックスタッフの双方の精神的な負担を減らせます。医師・看護師も余裕をもって患者対応ができるため、より丁寧な診察が可能となるでしょう。資源を最大限活用することで、受け入れられる患者数や売上の増加も見込めます。
1-2.院内感染のリスクを減らせる
特に内科や小児科など、感染症の疑いがある患者を診察することが多いクリニックでは、院内感染に気をつけている施設も多いでしょう。しかし、換気や空気清浄機の利用、手指消毒のお願いなどの院内感染対策を講じていても、患者が待合室に集中する状態であれば感染リスクは高まります。
予約制を採用すると、それぞれの患者が診察待ちなどでクリニックに滞在する時間を減らせます。待合室で体調の悪い患者が密集することも避けられるため、院内感染のリスクを低減することができるでしょう。
1-3.待ち時間を短縮することで患者の満足度を高められる
何かを待っている時間は、実際の時間よりも長く感じがちです。特に、予約制ではないクリニックでは、体調が悪い中、どのくらいかかるか見通しがつかない状態で待つことになるため、患者はストレスや不満を感じやすいと言えるでしょう。
予約制を採用すれば、クリニック内での待ち時間が少なくなるため、患者の不満・ストレスを低減できます。スムーズに診察を受けられるため患者の満足度が高まり、再診率の向上にもつながるでしょう。
2.クリニックで採用される予約制の種類4つ
クリニックで採用される「予約制」には、いくつかの種類があります。
◆クリニックで採用される「予約制」の種類
- 順番予約制
- 時間予約制(完全予約制)
- 予約優先制
- 時間帯予約制
クリニックに予約制を採用する場合は、予約制の仕組みが種類によって異なることに注意が必要です。ここでは、クリニックで採用されることが多い上記の「予約制」の特徴について、それぞれ詳しく解説します。
2-1.順番予約制
「順番予約制」とは、患者が来院した順番で来院予約を受け付ける制度を指します。予約のない受付順番制に近い制度ですが、診察までの順番が明示されています。自分の順番が訪れるまでの、おおよその時間が分かっている場合は、待ち時間をクリニックの外で過ごすことが可能です。
また、近年ではインターネット上で当日の診察までの順位を確保できるクリニックが増えています。自分の順番が近づけば、メールなどで連絡を受けて来院する仕組みとなっています。
このシステムでは、クリニック側は予約の順番で次々と患者を診察室に呼べるため、効率よく診察を進めることが可能です。患者もスムーズに診察を受けられるというメリットがあります。しかし、希望日時に予約ができない点に不便さを感じる人もいることに留意しましょう。
2-2.時間予約制(完全予約制)
「時間予約制」とは、患者が希望する日時を指定して診察予約を行うシステムであり、予約した患者のみ診察する「完全予約制」と並行運用しているケースが大半です。時間予約制では、患者は自分の都合の良い日時に診察を受けられるため、ストレスの低減や満足度の向上が見込めるでしょう。
クリニック側としても、検査や診察の内容がある程度分かっている場合は、計画的かつ効率的に業務を進められるというメリットがあります。
一方で、早めに診察が終わっても次の予約時間にならないと、次の患者を診察できない点には注意が必要です。また、前の患者の診察が長引くと、予約時間通りに来院している次の患者を待たせてしまう場合もあることに留意しましょう。
2-3.予約優先制
「予約優先制」とは、予約の受付を行い予約患者優先で診察を行う一方で、予約なしの患者も受け入れるシステムのことです。このシステムでは、事前に予約した患者は可能な限り予約時間に診察を行い、予約をしていない患者はその合間で診察を実施することになります。
クリニックが混雑していない状態の場合、前の予約と次の予約の合間に十分な時間を取れるため、予約していない患者もそれほど待たせずに診察することが可能です。予約で患者数を確保しながら、来院患者数の増加も期待できるでしょう。
一方で、予約が集中する曜日・時間帯があり、その日時に予約なしの患者も集中した場合は、予約なしの患者の待ち時間が長くなる可能性があります。診察までにかかる時間を予測しにくいため、患者がストレスを感じやすくなるでしょう。また、予約していない患者を優先してしまうと、予約患者からクレームが出る恐れもある点に注意してください。
2-4.時間帯予約制
「時間帯予約制」とは、診療予約枠を「9時~9時30分」のように幅をもたせて、その間に予約した患者と予約なしの患者を並行して診察するシステムのことです。予約優先制と同じように思えますが、基本的には受付順番制で一部の予約を受け付けるという運用方法であることを押さえておきましょう。
予約優先制では、診察や検査の内容によっては次の予約枠に影響が出る場合がありますが、時間帯予約制ではその時間帯内での診察業務の調節が可能です。予約の時間に幅があるので、予約なしの患者を先に診察してもクレームにつながりにくいというメリットもあります。
3.自分のクリニックに適した予約システムを選ぶポイント
クリニックに予約制を導入する際には、自院の状況に合った種類の予約制を選択するとともに、クリニック側も患者側も使いやすい予約システムを導入することが大切です。自院で実現したい予約制の運用方法を明確にした上で、次のようなポイントをチェックしながら自分のクリニックに適した予約システムを選びましょう。
◆自院に合った予約システムを選ぶ際のポイント
クリニック視点 |
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患者視点 |
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3-1.クリニックに強い予約システム「リザエン」
クリニックの予約・診察をスムーズかつストレスなく進めるためには、クリニックに強い予約システムの導入が不可欠です。「複数の診療科がある」「診療科・担当医ごとに診察時間が異なる」など複雑な条件でも柔軟に対応できる「リザエン」をぜひ検討してください。
リザエンでは、インターネット予約だけでなく、電話予約や来院での受付予約もまとめて管理することが可能です。予約日時が近づいた際には患者へのリマインドメールも送れるため、予約忘れによるキャンセルを防いで確実な受診を促せるでしょう。
また、リザエンを使用すれば、患者自身が予約状況をインターネット上で確認できるようになります。患者側が自分の都合の良い日時の予約を取れるため、混雑の緩和・分散につながるでしょう。
リザエンでは、月額費用15,000円から利用できる「ビジネス版」と、カスタマイズ性に優れた「エンタープライズ版」の2種類のプランを提供しています。予約システム導入を検討する際には、自院の診療スタイルに適した運用方法や初期費用・導入費用などの費用面に関する悩みも含めて、ぜひリザエンにご相談ください。
まとめ
クリニックは、予約制を導入することで、患者数の平準化や院内感染リスクの軽減、患者の満足度アップなどのメリットを期待できます。クリニックが導入できる予約制には、順番予約制や時間予約制(完全予約制)などの種類があります。導入する予約制の種類によって、クリニックや患者への影響が異なるため、自院の状況や特色から、予約制を選択しましょう。
予約システム「リザエン」は、クリニックの予約管理に適合したシステムです。クリニック側にとっても、患者側にとっても、直感的に操作できるシステムとなっています。予約管理の効率化を希望しているクリニック経営者の方は、ぜひリザエンの導入をご検討ください。