公開日: 2021.09.14 更新日: 2024.07.23
予約システムの作り方とは?必要なスキルから含めるべき機能まで
1日の集客人数が限定される業種や、接客時間の長い業種などでは、予約システムを導入すると業務の効率化を図ることができます。少しでもコストを抑えるために、予約システムを自作で用意したいと考えている方もいるでしょう。
予約システムの作り方にはさまざまな方法があるため、それぞれを比較検討して導入の可否を判断することが重要です。
今回は、予約システムの作り方を解説します。必要なスキルや含めるべき機能も解説するため、予約システムの必要性を感じている方はぜひ参考にしてください。
目次
1. 予約システムの代表的な作り方4つ
予約システムの代表的な作成方法は、以下の4つです。
- 開発会社に依頼して作る
- CMSを利用して作る
- SaaS型予約システムを利用する
- 自社で開発する
それぞれの導入方法やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
1-1. 開発会社に依頼して作る
もっとも確実性が高い方法として、予約システムを手掛けている開発会社に依頼して作ることが挙げられます。開発費用の予算を確保でき、自社の業務に合った予約システムを作りたい場合は、プロへの依頼を検討するとよいでしょう。
◆メリット
- 高品質な予約システムを導入できる
- システム運営やサポートもプロに任せられる
開発会社に依頼すれば、自社で1からシステム開発する時間やスキルがない場合でも、要望に沿った高品質な予約システムを導入できます。ただし、予約システムを理想通りに仕上げるためには、テストや要件定義など、開発会社と調整を重ねることも必要です。
◆デメリット
- 開発費用が高額になる可能性が高い
- 納品までに1か月以上かかるケースがある
開発会社に依頼して作る場合、一般的にオーダーメイドで数百万~1千万円程度、パッケージ製品からカスタマイズする方法でも数十万~数百万円かかります。初期費用が高額になるため、事前に予算を組んでおくことが大切です。
1-2. CMSを利用して作る
CMSとはContents Management Systemの略であり、ホームページやECサイトなどを作れるツールのことを指します。WordPressなどのCMSは難しいプログラミング知識がなくても扱えるため、ある程度のIT知識がある場合はCMSを利用しての制作を検討するとよいでしょう。
◆メリット
- 開発費用を抑えられる
- 制作の自由度が高い
CMSにはWordPressなどのように無料で使えるツールも多く、予約システムの開発コストを抑えられる点が大きなメリットです。無料タイプで機能が不足している場合は有償のプラグインを導入する必要がありますが、開発会社に依頼するケースに比べればコストはかかりません。
◆デメリット
- 運用も自分で行う必要がある
- 不具合・障害への対応も必要になる
CMSを利用して作る場合、予約システムに不具合や障害が生じたら自分で対応する必要があります。そのため、IT知識に自信がない方は、開発はできても運用が難しいと言えるでしょう。
1-3. SaaS型予約システムを利用する
SaaSとはSoftware as a Serviceの略で、クラウド上のサーバーにある予約システムをインターネット経由で利用するサービスを指します。SaaS型予約システムには無料プランと有料プランがあり、利用できる機能が段階的に設定されているため、自社に合ったプランを選ぶとよいでしょう。
◆メリット
- 簡単に導入できる
- システム開発・運用の手間がかからない
- コストを抑えられる
SaaS型予約システムは既存のシステムを活用するため、手軽に導入できる点が大きなメリットです。無料や低額のプランで事足りる場合はシステム開発・運営のコストも大幅に抑えられます。
◆デメリット
- 希望に合わせたカスタマイズができない
- システム障害・サービス終了のリスクがある
SaaS型予約システムは既存のシステムを活用することで手軽さやコストの低さを実現しているため、カスタマイズ性が低いのがデメリットの1つです。また、システム障害が発生するとサービスが停止してしまうほか、突然サービス提供が終了となるリスクもあります。
1-4. 自社で開発する
Webサイト作成のためのスキルがあれば、予約システムをフルスクラッチで開発することも可能です。フルスクラッチとは、既存のコード・パーツを使わずゼロから新しいシステムを開発することを指します。高度なIT知識やサーバー、ソフトウェアといった必要な環境が揃っている場合は自社で開発するのも手段の1つです。
◆メリット
- 制約を受けずに自由にシステム開発できる
- 開発費用を抑えられる
自社で開発する方法では、費用を抑えつつ自社に合ったオリジナルのシステムを作れる点が大きなメリットです。
◆デメリット
- 高度なIT知識が必要になる
- システム運用や不具合・障害への対応も必要になる
自社での予約システム開発には高度なIT技術を要し、知識が不足している場合は勉強する必要があります。開発に時間と手間がかかるため、予約システムを早急に導入したい場合にはおすすめしません。また、システム開発後や運用中に発生した不具合・障害への対応も必要になります。
2. 予約システムを開発するために必要なプログラミングのスキル
予約システムを自社で開発する場合は、コンピューター言語と呼ばれるプログラミングのスキルが必要になります。コンピューター言語は大きく分けて、マークアップ言語・プログラミング言語・データベース言語の3種類です。ここでは、予約システムの開発に必要となるコンピューター言語の種類について紹介します。
2-1. HTML(マークアップ言語)
HTMLはHyperText Markup Languageの略で、Webページを作成するための基本となるマークアップ言語です。フロントエンドと呼ばれるユーザーの目に触れる部分を作る言語であり、タグを使ってページ内の要素を定義することで、文章や写真などの表示したい情報を形成します。
HTMLはテキストファイル形式で保存されており、ブラウザが情報を読み込むことでWebページとして表示できるようになります。インターネット上のWebサイトは、HTMLを使って作成されたものがほとんどです。当然、ユーザーにアクセスしてもらう予約システムを作る際にもHTMLが不可欠になります。
HTMLには主に以下のような役割があります。
- 見出し・本文などの文字情報を記述する
- Webページ内に画像・動画などを挿入する
- ほかのWebページへのリンクを貼る
- 表・リスト・フォームなどを設置する
HTMLをほかのプログラミング言語と組み合わせることで、より複雑な予約システムを構築することも可能です。
2-2. CSS(スタイルシート言語)
CSSはCascading Style Sheetsの略で、Webサイトの細かな見た目の部分を指定できるスタイルシート言語のことです。WebページをHTMLのみで作ると非常にシンプルな見た目になりますが、CSSで以下のような要素を指定すれば、見栄えがよく使いやすいページにできます。
- 文字などのレイアウト、サイズ、色、装飾
- プリンタで印刷する際の出力スタイル
- Webページを音声で読み上げる際の再生スタイル
- Webページの背景画像
HTMLはWebページを作成するための言語であり、CSSはHTMLがどのように見えるかを指定する言語だと考えるとよいでしょう。
CSSを用いて予約システムを作ると、ユーザーにとって分かりやすいページになるだけではなく、運営側にとってはSEO対策に効果的というメリットがあります。CSSを用いた装飾などはページの読み込み速度への影響が少なく、SEO評価の低下を防げるためです。
2-3. JavaScript(プログラミング言語)
JavaScriptとは、動的なWebページを作るためのプログラミング言語を指します。例えば、Webページに以下のような動きを実装したい場合に活躍します。
- ボタンにタッチすると色や形が変わる機能
- スライドショー
- ポップアップ画面
JavaScriptはHTMLやCSSといったマークアップ言語と組み合わせて使い、Webページ上でアニメーションを動かすことが可能です。JavaScriptを活用すれば、視認性や利便性が向上し、ユーザーにとってより使いやすいWebページが作れるようになるでしょう。
JavaScriptは汎用性の高さが大きな魅力です。過去にはブラウザを動かすための言語が多くあったものの、現在ではJavaScriptが主流となっています。また、最近ではNode.jsというサーバーサイドのプログラミング言語としても活用されています。
なお、JavaScriptはプログラミング言語の一種であるJavaとは関係がない別物です。
2-4. PHP(プログラミング言語)
PHPはHypertext Preprocessorの略で、動的なWebページを作成するために必要なプログラミング言語の一種です。JavaScriptはユーザー側のブラウザで処理を行うのに対して、PHPはサーバーサイドで処理を行います。
予約システムにおいては、PHPを使って以下のような機能を実装することが可能になります。
- ユーザーの入力情報の受け取り、データベースへの保存
- ユーザー情報の登録・編集・削除
- 予約カレンダーによる空き状況の確認
- 予約確認メールの自動送信
PHPは、ユーザーがアクセスしたタイミングや状況などに応じてWebページの表示内容を変えられる点が大きな特徴です。また一般的なWebサイトでも、ショッピングサイトでの購入履歴の表示やお問い合わせフォームの設置など、PHPはさまざまなシーンで活用されています。
PHPはほかのプログラミング言語に比べて仕様や文法が簡単で、比較的習得しやすい点も大きな魅力の1つです。
2-5. Java(プログラミング言語)
Javaは多くのエンジニアから支持されているサーバーサイドのプログラミング言語で、汎用性の高さが大きな魅力となっています。Webサイト制作以外にも、業務系システム開発やアプリケーション制作などさまざまな分野で活用されている言語です。
JavaはOSに依存しない動作が可能な点が大きな魅力で、一度書けばWindowsやMacなど、環境を問わずプログラムが適切に実行されます。また、Javaは世界中で多くの人に使われているため、バグが起こっても修正されやすく、安定している点がメリットの1つです。学習用の書籍やインターネット上で公開されている情報も多く、自力でも学習しやすい点も魅力と言えるでしょう。
また、Javaは開発当初からセキュリティ面を重視しており、安全性が高いため、ユーザーの個人情報を扱う予約システムの作成にも適しています。なお、JavaScriptとは名前が似ていますが無関係の別物なので、混同しないように注意しましょう。
2-6. SQL(データベース言語)
SQLはStructured Query Languageの略で、データベースのアクセス・定義を行うためのサーバーサイドの言語です。データベースとは、ユーザー情報などのデータをコンピューターの中に電子的に格納したものを指します。
予約システムではユーザー情報や予約情報、サービスに関する情報などさまざまなデータを扱う必要があるため、データベースおよびデータベース言語の活用が必須です。データベース言語にはSQL以外にもさまざまな種類がありますが、SQLは世界で規格が統一されていることもあり、圧倒的なシェアを誇っています。SQLを学習すれば、ほかのデータベースでもほぼ同じ操作が可能になる点も魅力です。
ただし、SQLはあくまでデータベースを操作するための言語です。SQLを学習するだけでは、システム開発そのものはできない点に注意してください。
3. 予約システムに含めるべき機能
予約システムを自作したいと考えていても、実際にどのような機能を含めるべきか決まらないケースは珍しくありません。予約システムの活用の幅を広げたい場合は、含めておくべき機能の一覧を把握しておきましょう。ここでは、予約システムに含めるべき機能を解説します。
3-1. 予約管理機能
予約管理機能を実装すると、予約管理のための人的負担が軽減されます。24時間対応で予約受付が可能となり、予約状況もリアルタイムで反映されるため、人的な間違いを防いで予約トラブルをなくすことにつながります。
加えて、事前のリマインドメールやキャンセル待ち機能など、自社の店舗運営に合わせた独自の機能を持たせることも可能です。
3-2. セキュリティ対策機能
予約システムは顧客の個人情報に関するデータベースを管理することになるため、システムのセキュリティには細心の注意が必要です。
サーバーのホスティングを行う場合は、事業者のセキュリティ対策が十分かどうかを確認しましょう。通信の暗号化(SSL)や不正アクセスに対する対策(WAF・IDS・IPSなど)に対応しているかどうか、チェックすることが重要です。
3-3. 決済機能
会員制で月額課金のサービスを提供している場合、チケットや回数券を販売している場合は、予約システムに事前決済機能を加えることも検討しましょう。自社のユーザー層に合わせた決済方法を用意しておくことは、決済機能を加える際の重要なポイントです。
クレジットカードを所持していない人がいることも考慮すると、現金だけでなく電子決済の機能を含めると、よりお客様にとって親切なシステムとなります。
3-4. 顧客管理機能
顧客管理機能は、マーケティングを検討する際に欠かせない要素です。受付の際に予約フォームからユーザーが入力する登録情報を積極的に活用し、収益の拡大につなげます。利用頻度や支払総額といったLTVに関連するデータ、集客エリアなどを分析するための機能があるとよいでしょう。
予約システムを自作する場合は、上記のようなアウトプットされる情報までを含めて機能に盛り込めば、利用価値が高まります。
4. 予約システムを導入する5つのメリット
予約システムの導入にはさまざまなメリットがあり、多くの企業で導入が進んでいます。予約システムを導入した場合の代表的なメリットを5つ紹介するので、導入を検討する際の参考にしてください。
4-1. 24時間体制で予約を受け付けられる
オンライン予約システムを導入すると、24時間365日の予約受付が可能になる点が大きなメリットです。予約システムを設置しない場合、予約は電話やFAX、来店で受け付けることになります。しかし、企業や店舗の規模によっては、スタッフが予約対応を行うのが難しいタイミングもあるでしょう。予約がスムーズにいかなければお客様を待たせることになり、悪い印象を持たれたり、予約を断念されたりすることも考えられます。
一方、予約システムがあればお客様のタイミングで予約が可能なので、不満やストレスを軽減できます。
4-2. 予約管理業務を効率化できる
予約システムを導入すると、予約業務全般が自動化され、効率的かつ迅速に行える点がメリットの1つです。従来の予約方法の場合、一口に予約管理業務と言っても、電話応対やスケジュール確認・調整、必要事項の聞き取りなど、さまざまな工程が必要になります。一方、予約システムを導入すれば予約に必要なやりとりが自動化されるため、スタッフは複雑な電話応対から解放され、予約スケジュールの確認だけでよくなります。
システムによって作業が自動化されることで、ヒューマンエラーを防げる点も大きなメリットです。
4-3. 空き状況をリアルタイムで確認できる
予約システムでは予約情報がリアルタイムで更新・反映されるため、常に最新の空き状況を確認できる点が大きな魅力となっています。ユーザーは企業やお店に問い合わせをすることなく空き情報をチェックできるので、双方の手間を減らせるほか、ユーザーにとってはサービス利用のハードルが下がります。
企業側としても、予約のダブルブッキングを防げたり、スタッフ間での予約状況の共有が容易になったりする点が、予約システムを導入するメリットです。
4-4. オンライン事前決済に対応できる
予約システムにクレジットカード決済機能を搭載すれば、料金をオンラインで事前決済できるようになります。予約と同時にサービス利用料金を事前決済できれば、当日の支払いを省略できる点が、ユーザーにとっても企業側にとっても大きなメリットです。
オンライン決済の導入は、事前連絡なしのキャンセル防止にもつながります。特に飲食店やホテルなど、当日の予約キャンセルが直接的な損失につながる業種の場合は、予約システムの導入と合わせて事前決済機能も搭載するのがおすすめです。
4-5. 顧客情報をマーケティングに活用できる
予約システムに情報分析の機能を付与する、あるいは顧客管理システムのある外部サービスと連携することで、集積された情報をマーケティングに活用できます。例えば、予約されたプランや来店頻度、年齢層などの情報から予約者の特性を見極め、それぞれに適したプロモーションを実施することなどが可能です。顧客情報を元に、ユーザーに合ったイベント情報の案内や、クーポン付きのバースデーメールの送信といったことも容易になります。
また、蓄積された予約データを分析すれば、ターゲットを絞った新たなメニュー・商品の開発も可能です。
5. 自作が難しいなら「リザエン」がおすすめ
Web制作やプログラミングに関する知識がある方であれば、予約システムを自作できるでしょう。しかし、実際に自作することは大変な作業であり、時間がかかってしまうケースも珍しくありません。
予約システムを自作することが難しい場合は、さまざまな機能が備わっている「リザエン」をご検討ください。リザエンでは予約枠の作成や集計・分析など、予約システムに必要な機能を取り揃えております。
料金プランは分かりやすく設定しており、導入前には1か月間の無料トライアルを実施することも可能です。予約システムの導入を考えている方は、さまざまな企業での導入実績のあるリザエンをご利用ください。
まとめ
予約システムは比較的簡単に作れるものから、フルオーダーメイドで開発するものまで、求められるレベルやビジネスの種類に応じて導入することが可能です。しかし、初めて予約システムを導入するケースでは、リザエンのようなあらかじめ用意されたシステムのほうがスムーズに導入できます。
予約システムを選ぶ際は、どのような機能が備わっているのか必ず確認しましょう。自社にとってメリットがあるかどうかを確認し、予約システムを導入することが重要です。
リザエンの予約システムでは、一般的に必要とされるような機能を幅広く搭載しております。基本的な機能を網羅した予約システムをお探しの方は、ぜひリザエンの利用をご検討ください。